美容鍼に使われる鍼の種類・治療内容を詳しく解説！

美容鍼って最近よく聞くけど、どんな鍼を使って、どんなことをするんだろう？と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。

美容鍼は、さまざまな鍼や技術を組み合わせて、肌の代謝や自然治癒力（＝治ろうとする力）を促し、顔やからだの不調改善に繋げる治療法です。

本記事では、美容鍼の治療で実際に使われている鍼の種類や、治療の内容について解説します。

美容鍼とは？

美容鍼は、鍼治療のジャンルのひとつです。顔または、顔とからだの両方のツボに鍼を刺すことで血行を促進し、肌の代謝を促します。

化粧品などの表面的なケアだけではなく、肌の内側に直接アプローチするため、ほうれい線やシワ、たるみの改善、むくみの解消など、美容効果にも繋がります。

美容鍼は女性を対象にした治療と思われがちですが、実は男女関係なくからだ全体のさまざまな悩みや症状に効果が期待できる治療法です。

美容鍼ってどんなことをするの？｜治療内容の種類について

美容鍼とひとことで言っても、鍼灸院や鍼灸師によってアプローチのやり方は異なります。

ここでは一般的な治療例をご紹介します。

顔への鍼治療

基本的に顔の経穴（ツボ）、筋肉、頭からフェイスラインに鍼を刺していきます。

血液やリンパの流れを良くすることで、たるみやほうれい線、シワ、むくみの改善、リフトアップ効果が期待できます。

顔の鍼治療に加えて、マッサージやフェイシャルエステ、パックなどを組み合わせることもあります。

全身への鍼治療

美容鍼は心とからだ全体を整え不調改善を目指す東洋医学の観点から顔まわりだけではなく、頭や肩・腕・足にかけたからだ全体にもアプローチを行うこともあります。

全身にアプローチすることで血行を促進し、からだの内側から美容や不調の改善、そして健康にも繋がります。

全身への鍼治療は、お灸や他の施術を組み合わせることで相乗効果も期待できます。

仮に悩みを感じている場所が顔周りだけであっても、実際にはその不調を補おうとからだ全体のバランスが少しずつ崩れているものです。

美容の悩み以外に気になることがあれば、遠慮なく鍼灸師に相談しましょう。

美容鍼で使われる「鍼」ってどんなもの？

さまざまな効果が期待できる美容鍼では、どんな鍼を使うのか気になりますよね。鍼治療に使われる一般的なイメージの「刺す鍼」以外にも、色んなタイプの鍼があります。

本章では、美容鍼に使われる鍼の種類について解説します。

毫鍼（ごうしん）｜刺す鍼

毫鍼（ごうしん）とは国内で使われている“刺す鍼”の最も代表的な鍼です。

ステンレスまたは金・銀製の素材でできており、滅菌処理された使い捨て鍼（ディスポーザブル鍼）が主流です。

鍼の太さは、髪の毛ほどのとても細い鍼を使うので傷みはほとんどありません。

さらに毫鍼にもサイズ的な種類がある中で、顔の鍼治療に使われる鍼は、からだに使われる鍼よりも痛みの程度を和らげた細い鍼を使い、痛みを極力減らす工夫がされています。

実際に刺す鍼の深さは部位や技法によって異なりますが、からだの場合は鍼の長さの3分の1程度、顔の場合は数㎜～10㎜程度であることが多いです。

刺さない鍼

鍼といっても直接からだに「刺す」ものではなく、皮膚を傷つけることがない「刺さない鍼」もあります。

鍼は刺したくないけど美容鍼の効果は欲しい、という方におすすめです。

ローラー鍼

ローラー鍼は皮膚の上を転がして皮膚に接触させる鍼です。

子どもを対象とした小児鍼でも使用されています。

鍉鍼（ていしん）

鍉鍼（ていしん）も「刺さない鍼」の一種です。

顔のツボや表情筋の筋膜、頭部、からだなどを押したり、こすったりする接触刺激を与えることで血行を良くし顔の悩みの改善を促します。

円皮鍼（えんぴしん）｜貼る鍼

円皮鍼は、シールに極めて小さな鍼がついているもので、貼るだけで鍼治療の効果を得られる手軽な鍼です。

通常の鍼よりは刺激は穏やかですが鍼の長さは非常に短いため、痛みはほとんどなく、初めての方は試しやすいです。

一般の鍼治療やスポーツのセルフケアなどでも幅広く使われています。

自分にあった美容鍼の鍼灸院はどうやって見つけたら良い？

「鍼灸院で美容鍼を受けてみたいけど、どうやって探せばいいの？」とお困りの方もいらっしゃるでしょう。

たくさんある鍼灸院の中から自分に合う美容鍼の鍼灸院を探すのは大変ですよね。

下記では鍼灸院選びから治療までの流れをご説明しますので、鍼灸院を選ぶときの参考にしてください。

１．美容鍼に対応している鍼灸院を探し予約する

美容鍼を得意としている鍼灸院は「美容鍼」のジャンルを選んで探せます。早速、お近くの鍼灸院を探してみましょう。

気になる鍼灸院を見つけたら、院のページやホームページで治療院の雰囲気や先生のプロフィールをチェックしたり、口コミを調べて決めましょう。

不安なことや要望があれば、事前に電話で問い合わせてみるのも良いでしょう。

2．来院・問診（ヒアリング）

初回は、悩みである症状に対してオーダーメイドの治療方針を立てるため、普段の生活環境、体質、姿勢チェックなど、について問診（ヒアリング）があります。

〈美容鍼の問診例〉

• 悩みについて（顔の気になる悩み、顔以外に悩んでいる不調など）
• 日常生活について（どんな姿勢が多いか、お仕事、生活環境）
• 既往歴、家族歴、治療中の病気はないかなど
• 体質チェック（食欲、睡眠、お通じ、熱がり・寒がり、汗の量、ストレス度合いなど）

またこの際に美容鍼のリスクについての説明がされ同意書の記入があります。気になっていることがあれば遠慮なく伝えてください。

3．施術開始

お悩みに合わせて、美容鍼の治療を行います。

治療中に違和感・不快感があれば遠慮なく伝えてください。

最後に鍼をすべて抜いたことを確認し、アフターケアをして終わりになります。

【Q&A】美容鍼に関してよくある質問

最後に美容鍼でよくある質問にお答えします。

Q：痛みはありますか？

痛みを感じない人がほとんどです。鍼が皮膚に刺入される瞬間は、「チクッ」と蚊に刺される程度でほぼ痛みを感じることはありません。

もし痛みが強いと感じたら、遠慮なく担当の先生に伝えて調整してもらいましょう。

美容鍼は痛いの？刺激の程度や感じ方、リラックス効果について

Q：料金はどれくらい？

一律に決まっているわけではないので、鍼灸院によってさまざまですが、美容鍼の相場は1回30分～60分につき4,500～8,000円ほどです。

「美容鍼」に特化した鍼灸院だと、オプションやコースも幅広く値段の幅も広くなります。

初回の問診でからだの状態を把握してからベストな治療内容を提案されます。料金についてわからないことがあれば、各鍼灸院に確認してください。

鍼治療の値段は？自費と保険適用との違いについて

Q：美容鍼の副作用のリスクはありますか？

稀に内出血することがあります。内出血はからだの状態（不調など）によって起こりやすくもなります。

もし内出血が起きても、長くても2～3週間ほどで自然に消えるため心配はありません。大事なイベント前などの場合は担当の鍼灸師に相談してください。

Q：美容鍼は生理中でも受けられる？

生理中でも受けられますが、肌が敏感になっているために、いつもよりも鍼が痛く感じる可能性があります。

生理が重い方や、長く同じ姿勢でいるとつらい方は、鍼灸師に相談してから美容鍼の受診を決めることをおすすめします。

まとめ｜美容鍼が気になったら、鍼灸院へ行ってみよう

今回は、美容鍼に使われる鍼の種類や、施術内容について解説しました。

実際に使われる鍼や施術内容を知ることで、改めて美容鍼に興味を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事を読んで、美容鍼を受けてみたいと思われた方は、ぜひご自分に合った鍼灸院を探してみてください。

このコラムの監修者

田中 一行

龍華鍼灸院院長
肌リジェ代表
公益社団法人群馬県鍼灸師会会長

日本メディカル美容鍼協会（JMCAA）、一般社団法人全日本美容鍼灸連盟

はり師、きゅう師

明治鍼灸大学（現・明治国際医療大学）卒業 鍼灸院勤務などを経て、2005年に群馬県渋川市に龍華鍼灸院を開業。 2014年にICCO式美顔はりを開発し、帝国ホテル東京内の再生医療クリニックで非常勤勤務を開始。2018年に株式会社RKを設立し、2019年に肌リジェ高崎を開業。美容クリニックの銀座禅クリニック内で肌リジェ東京を開始。2021年に群馬県前橋市に肌リジェ前橋メディカル＆スパ、福岡県北九州市に肌リジェ北九州、北海道札幌市に肌リジェ札幌を開業。 主な公職は、公益社団法人群馬県鍼灸師会会長、一般社団法人全日本美容鍼灸連盟理事。 日本メディカル美容鍼協会副代表として、ICCO式美顔はりの普及・指導を行う。

龍華鍼灸院

肌リジェ

日本メディカル美容鍼協会（JMCAA）

（公社）群馬県鍼灸師会

株式会社RK