鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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野球でボールを投げたときに肩が痛むのは、「野球肩」かもしれません。
痛いのはボールを投げるときだけだから大丈夫…と、肩の痛みを我慢して投球を続けると、プレーや日常生活に支障をきたす可能性があります。これからも野球を楽しく続けるためには見逃してはいけないサインです。
そこで本記事では、投球動作によって異なる「痛み」の原因や、野球肩の種類、野球で肩が痛くなったときの対処法をご紹介します。
このコラムの目次
野球で肩に痛みを感じるときに考えられるのは「野球肩」というスポーツ障害のひとつです。
野球肩とは、主に野球の投球動作によって生じる肩関節の運動障害の総称で、原因のほどんどはオーバーユース(使い過ぎ)による肩回りの筋肉や腱の炎症や損傷によるものです。
特にピッチャーやキャッチャーといったボールを投げるポジションに多いとされています。
野球肩とひとことで言っても、さまざまな病態(損傷部位)を含みます。参考までに投球動作と損傷しやすい部位を見てみましょう。
このように投球動作のどのタイミングで「痛み」が生じ、さらにどの腱や筋あるいは骨の損傷によるものか、などによって診断名が分かれます。
ここでは、野球肩の種類の中で頻度の高いものを5つご紹介します。
インピンジメント症候群は、ボールを投げる動作の過程で、腕の骨(上腕骨頭)が肩峰や靱帯に衝突し、その間にある腱や滑液包が炎症を起こし、肩が痛みます。
▼症状
症状が四十肩・五十肩と似ており間違えられやすいですが、それぞれ治療法が異なるため自己判断は危険です。
参照:インピンジメント症候群|整形外科・スポーツ診療科|順天堂医院
過剰な肩の回旋運動によって肩関節と腱板(※)が衝突して痛みが出るのが腱板損傷です。
※腱板とは…肩の中にある棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋肉の腱が集合したもの
▼症状
参照:野球肩(肩のスポーツ障害)| Dr.KAKUKOスポーツクリニック
フォロースルー期のように腕を振り下ろす動作をしたときに、肩甲上の神経が引っ張られたり、圧迫されることで生じる障害です。
▼症状
野球肩の中でも多いのが、ルーズショルダー(別名:動揺肩、肩関節不安定症)です。
肩関節の安定に関わる肩回りの靱帯や関節包が生まれつき緩い人に起こりやすいと言われています。
▼症状
参照:ルーズショルダー|スポーツドクターコラム 飛翔会グループ
お子さんが野球で肩の痛みを訴えている場合に考えられるのがリトルリーグショルダーです。
子どもの骨には骨端線という成長軟骨があり、この部分は力学的に強度が弱いため、繰り返す投球動作によって損傷し痛みを生じます。15歳未満の成長期に起きやすいです。
▼症状
放置しておくと痛むだけでなく成長障害にも繋がる可能性もあるため、特にボールを投げたときに急な痛みを感じた場合にはただちに整形外科を受診する必要があります。
肩に痛みを感じた直後は、運動を中止しアイシングを約15分間行いましょう。
その後はできるだけ早く病院を受診し、画像による診断を受けましょう。
投球前後には下記のような肩周りのストレッチや、日々のトレーニングとして体幹のエクササイズ、股関節周りのストレッチなどをするのも、肩を痛めにくいフォーム改善に繋がります。
▼肩周りストレッチ(肩甲骨)
▼プランク(体幹トレーニング)
趣味や仕事・家のことで忙しい方の中には「たぶん野球肩だと思うけど、大した痛みではないし様子を見よう…」と思っている方もいるかもしれません。
初期症状は投球時の痛みがメインですが、自己判断で痛みを我慢し投球を続けていると、次のように症状が悪化する可能性があります。
こうなってからでは、治るまでに時間がかかり長期的に投球が困難になる可能性もあります。また最悪の場合は、筋腱の断裂や疲労骨折など、手術が必要になります。
そうなる前に、少しでも野球後の肩に痛みを感じたら、早めに整形外科を受診し、診断・治療を受けましょう。
野球による肩の痛みの治療には鍼灸治療も検討することができます。
実際、プロ野球選手の中には、練習や試合の前後やリハビリに鍼灸治療を取り入れている方も多くいます。
そもそも鍼灸治療とは、からだの不調の根本原因にアプローチする東洋医学の一分野で、鍼(はり)やお灸(きゅう)を使いその人の症状に合わせたツボを刺激しさまざまな不調の改善を導く治療法です。
肩の痛みの原因となっている周辺部位の血行を良くし、自然治癒力(=治ろうとする力)を高め改善を促すことで、痛みの緩和や改善、悪化の予防に効果が期待できます。
また、肩周囲だけでなくからだ全体を診てアプローチを行うため、投げる動作や打つ動作などのパフォーマンス向上や、プレーの疲れを残さないアフターケアにも繋がります。
鍼灸治療の中で野球肩をはじめスポーツ障害に関わる不調改善を得意とするジャンルが「スポーツ鍼灸」です。
スポーツ鍼灸は、一般的な鍼灸治療を中心に、ストレッチやマッサージを行いスポーツをする人の心とからだのケアに特化した治療が特徴です。
肩の痛みのケアとともにパフォーマンス向上・維持も行いたい方は、早速「スポーツ鍼灸」のジャンルを選んでお近くの鍼灸院を探してみましょう。
本記事では、野球で肩が痛いときに考えられる「野球肩」について解説しました。
症状の出始めは痛みや違和感は少ないですが、自己判断で我慢し投球を続けていると、プレーや日常生活に支障をきたしてしまいます。
もし、肩の痛みを訴えているのがお子さまの場合は、成長障害に繋がる可能性もあるのでさらに注意が必要です。
少しでも投球で肩に痛みを感じたら早めに整形外科を受診し、診断・治療を受けましょう。
肩の痛みのケアと一緒にパフォーマンス向上・維持も行いたい方は、ぜひ一度、鍼灸院へ相談しスポーツ鍼灸を受けてみてください。
このコラムの監修者
早川和浩
早川治療院 院長
一般社団法人 日本スポーツ鍼灸師協会 代表
一般社団法人 日本スポーツ鍼灸師協会
米国NATA ATC/はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師
米国NATA ATCと日本の鍼灸マッサージ師の資格を持ち、1999年、日本人初のメジャーリーグチーム契約トレーナーとなる。メジャーリーグチームデトロイトタイガースチームアシスタントトレーナー2シーズン経験(木田投手・野茂投手、他球団日本人メジャーリーガーのケア、マネージメント通訳に携わる)帰国後はOSGフェニックス(現Bリーグ1部 三遠ネオフェニックス)ヘッドトレーナー、JOC委属トレーナー(北京オリンピック帯同)等幅広く活躍。「スポーツ鍼」という特殊なスキルとアメリカで学んだアスレチック・トレーナーの知識の融合で「鍼でアスリートを救う」をモットーに施術を行う。