鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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スポーツ鍼灸とは、スポーツによるからだの疲労回復やコンディションの維持、怪我の予防や治療を専門にした鍼灸治療の一分野です。
スポーツをしていると、日々の激しい練習や試合によって筋肉の疲労がたまりますよね。そんなときの解消方法の一つとして、スポーツ鍼灸による治療があります。
本記事では、スポーツ鍼灸に興味がある人に向けて、スポーツ鍼灸とはどんなものか、スポーツをする人が鍼灸を取り入れるメリット、そして実際の治療方法について説明します。
このコラムの目次
スポーツ鍼灸とは、スポーツによるからだの疲労回復やコンディションの維持、怪我の予防や治療を専門にした鍼灸治療の一分野です。
本章では、スポーツ鍼灸と一般的な鍼灸治療の違いや、スポーツ鍼灸の目的と治療法について説明します。
具体的に、スポーツ鍼灸と一般の鍼灸治療を比較しながら解説します。
スポーツ鍼 | 一般の鍼灸治療 | |
対象者 | スポーツをする人 (=運動量が多く怪我をしやすい) |
普段の生活で肉体的・精神的・環境的ストレスを抱える人 (=何らかの不調を感じている) |
治療の目的 | ・スポーツによる怪我の治療や予防 ・パフォーマンス向上 |
からだのバランスを整え、自己治癒力を高めるサポート |
治療の方法 | 東洋医学とスポーツ医学を組み合わせ、からだの内側と外側からの総合的なアプローチ | 東洋医学の観点から、心やからだ全体を診て、からだの内側からアプローチ |
スポーツ鍼灸と一般的な鍼灸治療の大きな違いは、スポーツによる怪我の治療と予防を目的とし、東洋医学とそれ以外のアプローチ(整形外科的な観点やリハビリなど)を行うことです。
スポーツ鍼灸だからと言って一般的な鍼灸治療より刺激量が多い、効果が見込める、といったことではありません。
スポーツ鍼灸の目的は、使いすぎた組織の血行改善や、痛みの軽減や解消、次の運動時までに正常なプレーができるように疲労を回復させ、怪我が起こりにくくすることです。
さらに、怪我をしてしまった場合は、早期に再開できるようにリハビリと併用して、鍼灸治療を組み合わせてアプローチをしていきます。
▼スポーツでの怪我への治療
|
紹介したのはあくまでも一例です。
その人の状態や、スポーツにおける目標、目的によって一人ひとりに合わせた治療方針を立てて治療を行います。
スポーツによる怪我の主な原因は、過度な運動や不適切な練習法でからだの一部に疲労がくり返し蓄積されることで、筋肉や腱、靭帯、骨、軟骨などに障害を起こすと言われています。
からだの中で、過度に使いすぎた部位に痛みとなって現れ、それはスポーツの種目によりさまざまな特有の痛みとして生じます。
代表的な症状をいくつか紹介します。
ここまでの説明で、「スポーツ鍼灸はアスリートに限定されるの?」「趣味で筋トレをやっているレベルの一般人でも通って良いの?」と疑問が浮かんできますよね。
スポーツ鍼灸は、プロから一般の方まで誰でも受けることができます。
社会人のスポーツサークルに入っている、趣味でスポーツをしているというスポーツ愛好家の方や、運動量が多いお仕事の方にもおすすめです。
また、年齢制限もありませんので、お子さまがスポーツをしていて、からだに痛みを抱えているようならぜひ一度相談してみてください。
普段からスポーツをされている方なら、「怪我防止のためのストレッチ」、「疲労回復のための温泉やサウナ」など、からだのメンテナンスのためにさまざまな方法を模索している方もいるでしょう。
実はスポーツ鍼灸は、それでも疲れが残ってしまう方におすすめです。
この章では、スポーツをする人がスポーツ鍼灸を取り入れるメリットを3つ紹介します。
疲労回復には、血行の改善と質の良い休息が重要です。
スポーツ鍼灸は、全身の血行を促進し、自己治癒力を高める効果に繋がります。
さらに、激しい運動で乱れがちな自律神経が整い、からだ全体がリラックスした状態になるため、より血行促進をしてくれる効果が引き出され、疲れが残りにくくなります。
故障が起きやすい部位にあらかじめ鍼治療をしておくことで、その部位の血行が促進され柔軟性のある状態をキープすることに繋がります。
練習や大会前に行えば、ウォームアップの手助けや、急な運動による怪我の予防にも期待できます。
鍼灸師はからだのプロなので、骨格のゆがみや、体調管理について相談することができます。
スポーツ鍼灸を専門としている鍼灸師なら、正しいからだの使い方、おうちでできるトレーニング法などもアドバイスしてくれるでしょう。スポーツ医学の観点から治療やアドバイスを受けることで、パフォーマンス向上が期待できます。
スポーツ鍼灸で使用する鍼は、基本的に一般的な鍼と変わりません。ここでは、代表的な3種類の鍼をご紹介します。
毫鍼(ごうしん)とは、もっとも代表的な鍼で、スポーツ鍼灸でも使用することが多いです。
鍼先の太さは0.1㎜~0.3㎜ほどで、髪の毛の太さと同じくらい細く、鍼の痛みを感じにくいような工夫がされています。
体調に合わせたツボを刺激することでからだのバランスを整えたり、血行促進や自己治癒力を高めることにより、筋肉の痛みや神経痛の解消に使われています。
スポーツ鍼灸は、鍼に低周波の電気を流す「パルス療法」を行うこともあります。
円皮鍼は、貼るだけで鍼治療の効果を得られる便利な鍼です。
一円玉より小さいサイズ(直径約1.5㎝程度)のテープの中心に、細く短い鍼が付いています。鍼の長さは約0.3~1.6㎜と非常に短いため、貼る時や貼っている間の痛みはほとんどありません。
テープでしっかり固定させるため、普段の生活の中でも鍼治療の効果を持続させることができます。
てい鍼とは、刺さない鍼の一つです。
先端が丸まっているので、皮膚に刺さることはありません。
ツボ(経穴)や経絡、硬結がある筋膜に、押したり、こすったりする接触刺激を与えることで、自律神経の乱れを整え、病気の予防と健康維持に役立ちます。
からだを傷つけることがないため、痛みに敏感な方や、鍼が苦手な方でもストレスなく使用することができます。
施術方法は鍼灸院や担当鍼灸師によってさまざまです。
スポーツ鍼灸に力を入れている鍼灸院か、トレーナーの資格を持っている鍼灸師がいる鍼灸院を探しましょう。
スポーツを専門にしていなくても、筋肉とトレーニングにくわしい鍼灸師がおすすめです。
鍼灸院に来院するときは、事前に確認しておくとスムーズです。
最後に、スポーツ鍼灸に関してよくある質問についてお答えします。
プロ野球選手や、フィギュアスケート選手、陸上競技選手などがいます。
トレーニングに励むアマチュア選手から、プロアスリートとして世界で活躍する名選手まで幅広く取り入れられています。
次の病気については可能です。
ただし医師の同意(医師の同意書)が必要のため注意が必要です。
院によって得意領域が異なるため、事前に調べるようにしましょう。
実際にスポーツ選手などを診ている院がおすすめです。
初めての鍼灸院の選び方!失敗しない見極めポイント7つを徹底解説
新型コロナウイルス感染防止対策や、子育て・介護中などで外出が難しい方には、鍼灸師が直接自宅にきて施術を行う往診がおすすめです。
スポーツ鍼灸とは、スポーツによるからだの疲労回復やコンディションの維持、怪我の予防や治療を専門にした鍼灸治療です。
いつものストレッチだけでは疲労が残ってしまう方や、パフォーマンスを高める方法を探している方は、ぜひスポーツ鍼灸を取り入れてみてください。
このコラムの監修者
松下美穂
森ノ宮医療学園専門学校 鍼灸学科・柔道整復学科教務部長
(公社)全日本鍼灸学会
はり師・きゅう師・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
2003年より日本オリンピック委員会強化スタッフとして、日本陸上競技連盟の日本代表選手団のトレーナーとして世界陸上や世界ジュニア選手権に帯同。2007年~2008年に池田久美子(陸上競技走幅跳・日本記録保持者) のパーソナルトレーナーとして活動。2011年~2012年豊田自動織機女子陸上競技部専属トレーナーとして活動。現在は、森ノ宮医療学園専門学校教務部長および鍼灸学科学科長として勤務する傍ら、鍼灸院を開業し、スポーツ選手の治療・コンディショニングを行っている。