鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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「鍼治療を受けた後に眠くなった」「からだがだるくなった」というお声を聞いたことがありませんか?
この眠くなる、だるくなるという症状は決して悪いことではなく、むしろ鍼の効果が出ている証でもあるんです。
ここでは、鍼治療を受けるとなぜ眠くなるのか、そのメカニズムと治療後の過ごし方について詳しく解説します。
このコラムの目次
「鍼治療を受けて、眠くなった」という話を聞いたことはないですか?
それを聞いて「眠くなるのは鍼の副作用かしら…」と不安になってしまうかもしれません。
実は鍼治療を受けて眠くなるのは、ごく自然なことなのです。これは決して悪い反応ではなく、あなたのからだが鍼によって回復する良い兆しでもあります。
この治療後の反応のことを、鍼の専門用語で「好転反応」または「瞑眩(めんげん)」と言います。治療により硬くなっていた筋肉がほぐれ、滞っていたリンパや血の巡りが良くなると急激なからだの変化についていけず、一時的に眠気やだるさが現れます。この反応は治療した日から数日で収まることがほとんどです。
好転反応の症状には、眠気の他にも症状があります。
好転反応は、治療を受けた全ての人に起こるわけではありません。もし治療後に「痛みが増す」などからだの変化で気になることなどがあれば、担当の鍼灸師にご相談ください。
鍼治療を受けていると、多くの方が眠くなります。それは治療によりからだが回復に向かっている状態です。
治療中に眠くなったら、我慢せずそのまま目を閉じて眠りましょう。実は治療中に寝ることは鍼の効果を得るためにも良いとされています。眠ることで、からだと自律神経がリラックスし、鍼灸の治療効果も出やすくなります。
とはいっても、はじめて鍼灸治療を受ける日は「もし寝てしまったら」と不安になるかもしれません。心配であれば、治療前に担当の鍼灸師に「治療中に寝てしまっても大丈夫か」と確認をしておくと、安心して寝られると思います。
治療後は、まず温かい飲み物を飲みましょう。からだの緊張がほどけ、血の巡りが良くなるので、からだに溜まった老廃物も排出しやすくなります。
治療を終えた後は、2〜3時間ほどは安静に過ごしましょう。もしご自宅に帰ってから眠気が出てきたときは、無理をせず横になれるなら寝てください。仮眠後に目覚めたときは、頭もからだもスッキリしているはずです。
また治療を受けた日に激しい運動はNGです。治療後のだるさは運動後の疲労に近いもので、だるさを増幅させてしまう可能性があります。
治療をした日は、血行の巡りが良くなっているために、いつも以上にアルコールに酔いやすい状態になっています。この状態でアルコールを摂取すると、ひどいのぼせ状態になる場合があります。
治療した当日は、アルコールを控えておきましょう。
また当日のアルコールは、酔いやすいだけでなく、治療の効果を薄めてしまう可能性もありますので注意しましょう。
治療を受けたあとは、血の巡りが良くなり、からだがのぼせやすい状態のため、治療後2〜3時間は安静に過ごしてから入浴しましょう。
入浴前に水分を補給し、いつもよりもぬるめのお湯にサッと浸かる程度にしておきましょう。
ここでは、鍼治療を受けるときに意識しておくべきポイントを解説します。このポイントを知っておくだけで、鍼治療をスムーズかつ効果的に受けられますよ。
鍼灸院に初めて訪れると、カウンセリングを行い、治療の方向性を決めていきます。
そのため、私生活についても色々なことをお伺いする可能性がありますが、初めて来られた方の中には、かなり緊張して、ご自身のことをうまく話せない場合もあります。
初めての鍼灸院で緊張しているなら、予め辛いところや聞いてほしいことなどをメモをしていくと良いでしょう。
鍼灸院へ行く際には、ホームページや電話で予約した時間に、余裕を持って訪れましょう。
予約時間に間に合わないといって、走ったり焦ったりするようでは、精神的に余裕もなくなってしまいます。余裕のない状態では、交感神経が興奮した状態になります。その状態でカウンセリングや脈を取らせていただいても、本来の体調がわかりづらく、鍼治療がうまくいかない可能性もあります。できれば余裕持って、予約時間の少し前または丁度に到着するようにしましょう。
鍼は直接肌に鍼を刺して治療をしていきます。治療院よっては衣服を脱いで、専用の施術着に着替えたりすることもありますので、あらかじめ脱ぎ着しやすい服装でいくことをおすすめします。
また治療後リラックスした状態で帰宅できるように、からだを締めつけないゆったりした衣服を選びましょう。
治療を受けると、好転反応による症状も含めて、さまざまな症状が出る可能性があります。
そのため、治療後に無理な予定は入れないようにしましょう。なるべく安静に、家でゆっくり過ごすのが望ましいです。
鍼灸はすぐに効果を感じる人もいれば、時間がかかる人もいます。また症状によっても、効果の出方が変わります。
治療後、すぐに効果が出なくても、あきらめて辞めないでください。自分のペースで、継続して受診することをおすすめします。不安であれば、担当の鍼灸師にご相談ください。
最後に、鍼灸についてよくあるQ&Aについてお答えします。
鍼灸は、鍼や灸を用いてからだのコリや血の巡りを改善する治療法です。使われる鍼は、髪の毛程度で細く、皮膚に刺しても痛みをそれほど感じません。
そして痛みを感じさせないための工夫は、鍼の刺し方にもあります。指でツボや部位に圧をかけて揉む手技で、皮膚や筋肉の緊張を和らげたり、鍼の違和感を取り除いたりします。
また灸治療では、よもぎの葉の裏にある部分を集め、乾燥させたもぐさを、皮膚の上で燃焼させた熱で治療をします。灸の種類もさまざまありますが、痛みはほとんど感じず、心地よいものが多いです。とはいえ、キュッと一瞬熱さを感じる灸をする場合もあるので、不安であれば担当の鍼灸師にご相談ください。
ご自分の改善したい症状や目的、通いやすさなどに合わせて、ホームページやブログ、口コミを参考に、選ぶことをおすすめします。
鍼灸院は、クリニックや病院のように〇〇科といった標榜科目を看板などで表示していません。鍼灸師は自分の得意分野などをホームページやブログなどで説明している場合が多いので、ぜひ興味のある鍼灸院があれば、検索してみましょう。
鍼灸では健康保険で治療できる病気もありますが、その際、医師の同意書が必要になります。
健康保険を適用できるのは、次の病気の場合のみです。
参考:公益社団法人日本鍼灸師会
もし健康保険で鍼灸を受診したい場合は、その鍼灸院に取り扱いがあるか事前に確認してください。
治療効果の持続期間は、個人差や体調(もしくは患部)の不調度合により、さまざまです。1回で改善したと感じることがあれば、中長期的な治療が必要なこともあります。
治療を受ける場合、まず軽い刺激から始めてみて、担当の鍼灸師にご相談ください。
鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
鍼を受けたときに感じる眠気は、好転反応の一つです。決して悪いものではなく、からだが回復に向かっている状態だけれど、体調がついていけないとき起こる症状です。
この症状は、治療を受けた直後から数日にわたる場合もあるので、治療後は静かに過ごし、好転反応をやり過ごしてください。
もし鍼を受けて眠気を感じても、来ても「鍼が効いてきた!」と捉え、安心して眠りましょう。起きたときは、驚くほどからだがスッキリしているはずです。
このコラムの監修者
船水隆広
学校法人 呉竹学園 臨床教育研究センター マネージャー
経絡治療学会、日本伝統鍼灸学会、NPO法人日本更年期と加齢のヘルスケア学会、多文化間精神医学会、(一社)こころ鍼灸協会理事
はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師
臨床歴は20年を超え、欧米やアジア各国など、国内外で鍼灸の指導に当たる。自身が考案したてい鍼術「さざなみてい鍼術」と経絡治療を用い、ストレスケアと心の病に対する治療を医師と連携して行っている。被災地では鍼灸治療スタッフとして施術を行う。てい鍼施術効果の科学的研究で修士号を取得。