鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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SNSやメディアで注目されている美容鍼に興味を持ったものの、顔やからだに鍼を刺している様子をみて「危険じゃないの?」と不安に思う方も少なくないでしょう。
副作用が少ないといわれる美容鍼ですが、自分が受けるときはリスクについてしっかりと理解しておきたいですよね。
そこで本記事では、美容鍼のリスクについて徹底解説します。鍼灸院の安全対策やリスクを回避し安全に受けるためのポイントも紹介しているのでぜひ不安の解消にお役立てください。
このコラムの目次
美容鍼とは、鍼治療のジャンルのひとつで、一般的なからだ全体の鍼灸治療に加え、顔の鍼治療を行うことで顔・からだ全体の美容や健康に特化した鍼治療のことです。
お顔周りの美容効果に注目されがちですが、実は肩こりや目の疲れ、自律神経の乱れといったさまざまなからだの悩みや不調に効果が期待できる治療法です。
美容鍼で使われる鍼は、太さ約0.10~0.14㎜と髪の毛と同じくらい細いものを使用し、顔の皮膚に数㎜~10㎜ほど刺していくことで、血行が促進され、老廃物の排出や自然治癒力UPを促し、結果としてさまざまな効果に繋がるといった仕組みです。
しかし、どんなに細いものを使用していても「鍼を刺す」ということは危険ではないのか…と気になりますよね。まずは美容鍼の安全性についてみていきましょう。
美容鍼を含め鍼灸治療は、副作用が少ないと言われ、老若男女問わず誰でも受けることができます。
鍼は、滅菌された使い捨てのものを使用し、院内は、病院と同じレベルのCDC(日米疾病予防管理センター)ガイドラインに基づく衛生管理(手指消毒、院内環境、道具の消毒・滅菌など)を徹底しています。その上で鍼灸師は万が一がないよう、細心の注意を払って日々治療しているため、美容鍼の安全性は極めて高いと言えるでしょう。
とはいえ、大事なからだに影響を与える治療なので、ご自分が受けるのであればしっかりとからだに及ぼすリスクを知っておきたいですよね。
そこで本章では、美容鍼で起こりうる、特に顔の肌へのリスクについて解説します。
美容鍼は皮膚に鍼を刺す治療法なので、多少の出血を伴うことがあります。その際、傷ついた血管から漏れた血液が体外へ出ず、皮下にとどまると内出血(あざ)になることがあります。
▼実際の写真
特に血流が悪く弾力性がない血管は通常の血管より脆く傷つきやすく、その状態は体質や健康状態によって誰でも起きやすくなる可能性があります。
しかしながら、もし内出血を起こしても長くても2~3週間ほどで自然に消えていきます。
▼内出血したときの対処法
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もし大事なイベント前で心配な方は担当の鍼灸師にご相談ください。
どうしても内出血を避けたい場合は、てい鍼(刺さない鍼)や円皮鍼(貼るタイプの鍼)を使用してもらうことで内出血を避けることができます。
美容鍼を行う鍼灸師も、細心の注意を払い、鍼の刺し方や抜き方、受療者(=受ける人)へのフォローなど工夫を凝らしリスクを減らす努力をしています。
美容鍼を受けるときは、治療に入る前に内出血のリスクについて説明がありますので、その際に少しでも美容鍼の不安や疑問があれば、遠慮なく担当の鍼灸師にご相談ください。
鍼の素材には次の素材が含まれているため、金属アレルギーを引きおこす可能性があります。
過去にひどいかぶれ・かゆみ・膿の症状で病院に罹ったことがある方や金属アレルギーの疑いがある方は鍼灸師に必ず伝えましょう。
もし美容鍼後に皮膚の異常を感じたら、受けた鍼灸院に相談するかお近くの皮膚科を受診しましょう。
鍼による皮膚疾患の中には、顔面・頸部・手背などに灰紫青色のシミができる局所性銀皮症(ぎんぴしょう)と言われる疾患もあります。銀を含有する鍼の長時間の埋め込みが原因と考えられています。
しかし、埋没法(わざと鍼を折り、体内に埋め込む治療法)は、1976年から鍼灸医療安全ガイドラインにおいて厳禁となっているので現在の美容鍼で発生するリスクはありません。
先ほど紹介した通り、金属アレルギーをお持ちの方は注意が必要です。
金属アレルギーを防止するため、金属アレルギーの疑いがある方、または皮膚疾患をお持ちで心配な方は、美容鍼を受ける前に一度かかりつけ医師に相談してみると安心です。
また一部の鍼灸院では鍼に電気を流す美容鍼を行うところもありますが、刺激量が強めのため顔面神経麻痺の方やその既往歴がある方は相談するようにしましょう。
参考:パルス美容鍼に関する当協会の見解|日本メディカル美容鍼協会
たくさんある鍼灸院の中から、美容鍼を受けられる且つ、リスクが少なく自分にピッタリの院や鍼灸師を探すのは大変ですよね。
美容鍼を得意としている鍼灸院は「鍼灸院検索ページ」で「美容鍼」のジャンルを選んで探せます。まずはお近くの住所で検索してみましょう。
下記では、鍼灸院一覧から選ぶ際に参考になるポイントを4つご紹介します。
鍼灸師とは、少なくとも3年間は鍼灸の専門学校または大学で座学と実技を学び、国家試験に合格し、厚生労働省の「はり師」「きゅう師」の双方の国家資格免許を取得した者です。
そのため、鍼灸師と名乗ることは、国家資格を持っていることを表します。
気を付けたいのは、エステティシャン・セラピスト・整体師・マッサージ師など…確かに美容やからだのケアに携わる人々ですが、国家資格保有者ではありませんので、必ず「鍼灸師」の先生に鍼を打ってもらってください。
ちなみに柔道整復師、あんま師は国家資格者ですが、鍼灸治療を行うことはできません。
選ぶ際は、鍼灸院のホームページに鍼灸師の国家資格の情報が記載されているのかチェックしましょう。
ご近所の通りがかりや予約サイト、口コミサイトで気になる鍼灸院を見つけたら、まずその院のホームページをチェックしましょう。
ページの雰囲気や治療施術者のプロフィールをみて、しっかり自分の悩みに寄り添ってくれそうかを自分の感覚で見てみましょう。
業界歴や臨床経験だけで判断しないことが大切です。
また実際に鍼灸院へ行った際は、問診・リスク・術後のアフターケアなどについて丁寧にきちんと説明してくれるかも見ておきましょう。
好印象の口コミが多い院や先生は安心できます。
ご家族やご友人の直接の口コミはもちろん、ホームページの「お客様の声」や口コミサイトも参考に調べてみてください。
院内は、そこで働く鍼灸師の性格が表れるものです。鍼灸院を決めて、いざ扉を開けて一歩中に入ったときにどんな印象を持つかも大事なポイントです。
具体的にこんなところをチェックしてみましょう。
▼待合室
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ここまで鍼灸院の選ぶポイントを説明してきました。すでに鍼灸院を決めている方もいるかもしれません。
とはいえ、いざ美容鍼デビューしようと思っても、「鍼灸院に行ったことがないし、実際にどんな先生かわからないからやっぱり不安」という方も少なくないでしょう。
そこで、本章では安全に美容鍼を受けるための3つのステップをご紹介します。トラブルが少なくスムーズに鍼灸治療を受けるために、ぜひご参考ください。
ホームページで治療院の雰囲気や先生のプロフィールをチェックしたり、口コミを調べて決めましょう。不安なことや要望があれば、事前に電話で問い合わせてみるのも良いでしょう。
初回は、ヒアリング(問診)などがあるので、時間に余裕を持って予約してください。
悩みである症状に対してオーダーメイドの治療方針を立てるため、普段の生活環境、体質、姿勢チェックなど、じっくりとお話を伺います。
〈美容鍼の問診例〉
気になっていることがあれば遠慮なく伝えることが大事です。担当の先生と信頼関係を築くことも、安心して治療を受けるためのコツです。
初診時に美容鍼のリスクについての説明がされるはずですのでよく聞いてください。
治療中に違和感・不快感があれば遠慮なく伝えてください。鍼灸院はからだの悩みや不調をケアする場所なので、何かを我慢して新たなストレスを抱える場所ではありません。
我慢しないことは、内出血の防止にもなります。
最後に、美容鍼に関してよくある質問についてお答えします。
鍼が皮膚に刺入される瞬間は「チクッ」と蚊に刺される程度で基本的に痛みはほとんどありません。鍼灸院で使われる鍼の太さは、髪の毛と同じくらい細いため、痛みを感じない人がほとんどです。※注射針の1/3程度
さらに鍼にも種類がある中で、美容鍼に使われる鍼は、からだに使われる鍼よりも痛みの程度を和らげた細い鍼を使うことが多いです。
もし痛みが強いと感じたら、遠慮なく担当の先生に伝えて調整してもらいましょう。
妊娠中でも美容鍼を受けていただくことは可能です。また、妊娠中において必要となる心身の調整なども治療することで、最終的に心身の健美(健康・美容)に繋がります。
妊娠されていることを相談され、どのような治療が適しているか鍼灸師の先生と相談しながら治療を受けられることをおすすめします。
鍼を抜いたらすぐに塞がるので穴が開いたままであることはありません。
鍼を刺した箇所や周りの血流が促進され自然治癒力や新陳代謝が高まるため、鍼による微細な傷が治る過程で毛穴の引き締めにも繋がります。
新型コロナウイルス感染防止対策や、子育て・介護中などで外出が難しい方には、鍼灸師が直接自宅にきて治療を行う往診がおすすめです。
往診の際、鍼灸師の衛生管理は十分に行っているので、安心して治療を受けることができます。心配な方は予約の際に直接確認してみると良いでしょう。
往診が可能な鍼灸院は、サイト内の「鍼灸院検索ページ」から検索できます。お近くの鍼灸院を探してみてくださいね。
美容鍼によるリスクは確かにあります。しかし、CDCガイドラインに基づく衛生管理の徹底と、万が一がないよう鍼灸師の細心の注意とリスクを減らす努力をしているため、重篤なリスクの可能性は極めて低いと言えるでしょう。
リスクを回避するためには、ご自分と鍼灸師の信頼関係が一番重要です。
本記事で紹介した選び方を参考にあなたにびったりの鍼灸院・鍼灸師を見つけて、安心・安全に美容鍼を受けましょう。
このコラムの監修者
高野道代
明治東洋医学院専門学校 専任教員
明治東洋医学院専門学校 附属治療所鍼灸科 美容専門外来
疏通経絡健美学会 代表
疏通経絡健美学会
はり師・きゅう師・鍼灸教員資格
明治国際医療大学(元 明治鍼灸大学)鍼灸学部を卒業後、同大学大学院修士課程卒業を経て、明治東洋医学院専門学校の専任教員として勤務。
現在、鍼灸学科専任教員として鍼灸教育・研究・臨床を行いながら、皮膚科のクリニックにも勤務している。
教育では、内科系・婦人科系領域について、また専門分野として美容鍼灸に関する内容を中心として教鞭を執る。
美容鍼灸については鍼灸の役割を活かした「一定の効果とトータルサポートができる方法」として、疏通経絡健美法を考案。
附属治療所では美容鍼灸専門外来を開設。明治国際医療大学 京都桂川鍼灸院「mythos361」の開設時に美容部門を監修。
疏通経絡健美学会の代表として美容鍼灸の研究と普及に努めている。鍼灸の窓口にもなりうる美容鍼灸を少しでも多くの方に安全で安心して受けていただけることを目的として、より効果的な美容鍼灸の構築を目指している。