鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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男女問わず多くの人のお悩みである「腰痛」。
厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」(平成27年)によると、日本人が症状を自覚する病気やけがのランキングで男性の第1位・女性の第2位に挙げられており、まさに「国民病」とも言えます。
辛い腰痛を改善するために、体操、ストレッチ、整体などいろいろやってはみたけれど、「どうにもよくならない!」と、諦めかけている方も少なくないのではないでしょうか。
そこでおすすめしたいのが、鍼治療です。
本記事では、腰痛の原因と鍼治療の効果について詳しくご紹介していきます。
このコラムの目次
腰痛には、慢性的な腰痛から、急性のぎっくり腰まで、さまざまな種類があります。鍼治療は、こうした症状において効果的だと考えられています。
その作用は、鍼で痛みのある部位やその周辺を刺すことで痛みを抑え筋肉の緊張を取ると共に、血流の改善を促します。結果、自己治癒力が高まり筋肉の疲労を回復に導くことができるのです。
腰痛の原因はハッキリとはわかっていませんが、その多くは次のようなものが考えられます。
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原因は1つとは限らず、複数の原因が複雑に絡み合っている場合もあり、根本から改善するには、それらを紐解いていく事が重要になります。
鍼治療を定期的に受けているのに「良くなった気がしない」という方もいるかもしれません。
実はひとくくりに「腰痛」と言っても、鍼治療ですぐに「改善しやすい腰痛」と「改善しずらい腰痛」があります。
本章では、改善しずらい慢性的な腰痛について解説します。
慢性的な腰痛は、鍼治療を受けて一度良くなっても、数日すると「また腰が痛くなりました」というぶり返しがあります。このような場合は、根本的に改善するには少し時間がかかります。
なぜ痛みがぶり返してしまうのかというと、慢性的な腰痛は、治療後に血行が改善され一旦腰痛も軽くなっても、以前と変わらぬ乱れた生活習慣などからまた腰痛が繰り返されてしまう悪循環に陥っている可能性があるからです。
このような場合は、鍼治療を継続的に治療しながら、姿勢や筋肉の使い方などを見直すことで腰痛が改善していくと考えられます。
腰痛で鍼治療を受けても、なかなか良くならないときは、その他の病気が疑われる場合もあります。
▼疑われる疾患 |
このような疾患の場合は、腰痛と一緒に発熱や排尿障害があったり、痛みがどんどん強くなったりします。
何度か鍼治療を受けても症状が改善せず、むしろ悪化したように感じる場合は、担当の鍼灸師にご相談ください。
ここでは、「座りっぱなしで腰が痛い」「力仕事で腰がこる」という方におすすめのツボをいくつか紹介します。
腎兪は、腰痛、生理中の腰痛、下肢のだるさにおすすめのツボです。ウエストのくびれに両手をおいて、背骨をたどり、背骨から左右指2本分外側で、気持ちよく感じるところを押してみましょう。
志室は、腰が重だるい人におすすめのツです。腎兪から左右指2本分外のところにあります。
寒さからくる腰痛持ちの人は、腰回りを温めましょう。大腸兪と呼ばれる、左右の骨盤の上端から背骨のほうにたどり、背骨から左右指2本分外側のところにあるツボを押すのがポイントです。
他にもからだの調子やお悩みによって、押すべきツボはさまざまです。ご自身で正確にツボを押すのは簡単ではないので、最初は鍼灸院に通ってツボのとり方を教わるのが良いかもしれません。
「根本的に腰痛を改善するために、鍼灸院へ行ってみたい!」と興味を持ってくださった方はぜひ検討してみてください。
ここからは腰痛での鍼治療の受け方や通院について解説します。
鍼治療を受ける際は、次の流れで行いましょう。
予約を入れる前に腰痛が得意な鍼灸院をホームページなどで確認して、予約を入れましょう。
予約日は、少し早めに来院しましょう。初診の場合、問診票などへの記入などもあります。
問診では、現在の症状や生活習慣、少し前のケガや病気などについて伺います。
不安なこと、注意してほしいことなどあれば、この時に相談しましょう。治療後についての注意点や通院回数などについても話をすることが多いです。
問診を受けて、治療方法などを理解できたら、実際に治療を受けます。
腰痛の場合、腰周辺に鍼を打つと思いがちですが、流派によっては、手足に鍼を打つ場合もあります。大腿部や臀部、下肢などに打つ時は、うつ伏せになることもあります。
鍼で腰痛を治療する場合でも腰だけでなく、手足を含めからだ全体を治療します。そのため鍼灸院によっては施術着を用意しています。
またご自分で着替えを持ってくることも可能です。着換えは、手足が出る短パンと背部が出やすいタンクトップなどを用意しましょう。気になるようであれば、予約の際に確認しておくと良いでしょう。
鍼治療後のアフターフォロー
治療後は血行が改善されているので、過度な運動や治療当日の飲酒は控えておきましょう。
そして腰痛になった原因などに個人差がありますが、治療後にはその原因となった体勢や動きなどから遠ざかるよう意識しましょう。
治療後に痛みが増す、具合が悪くなるといった場合は、いわゆる「好転反応」であることが多いので、症状が落ち着くまで安静にしてください。
寝不足や体調不良の時に治療を受けると、具合が悪くなる場合もあります。その場合は、担当の鍼灸師に相談しましょう。
腰痛は慢性化するとやっかいです。治療している間に、からだの使い方や姿勢などの改善を心がけ、再び腰痛にならないように気をつけましょう。
急性のぎっくり腰では、鍼を刺すまでは歩くこともままならない状況だったのが、治療後はウソのように痛みが取れてしまうこともあります。
ただし、油断は禁物です。
腰痛を引き起こしたからだのクセなどはそのままなので、激しい動きをするとまた腰痛になる可能性もあります。治療後はできるだけ安静に過ごすようにしましょう。
腰痛だけに限らず、鍼治療を受ける際には、最初は週に1〜2回、徐々に月に1〜2回目安にしておくとよいでしょう。
例えば下記が目安になります。
なかなか改善しない腰痛であれば、鍼治療を受け、また痛みが出始めたくらいで治療を受けるなどルーティーン化しておくことをおすすめします。
できるだけ継続して受けることで、からだの自己治癒力を高め、腰痛も起こりにくくなります。
腰痛の痛みの度合いや重症度によって適正な回数や期間は変わってきますので、鍼灸院にてご相談ください。
腰痛は、原因となっている筋肉やその周辺に鍼治療をすることで、血行の改善が促され良い効果に繋がります。
慢性的な腰痛の場合は、継続的に鍼治療を続ければ、からだの自己治癒力が高くなり、腰痛になりにくくなります。
つらい腰痛に悩み続けているなら、解決策として鍼治療を考えてみてください。
このコラムの監修者
山口大輔
朝日医療大学校 教務部長
(公社)全日本鍼灸学会 (一社)日本東洋医学会 (公社)日本鍼灸師会 (公社)岡山県鍼灸師会
はり師・きゅう師 (公社)全日本鍼灸学会認定鍼灸師 (公社)日本鍼灸師会専門領域研修講座修了 (スポーツ傷害・婦人科疾患・リスクマネージメント) (公財)日本陸上競技連盟医事委員会トレーナー部部員(A級)
2001年より朝日医療大学校の専任教員として鍼灸師の養成や(公社)岡山県鍼灸師会の諸活動サポートに尽力。2012年より(公社)岡山県鍼灸師会理事に就任し、現在学術部長として会員へ知識技術の研鑽の場を数多く提供できるよう努めている。また、おかやまマラソンをはじめ、岡山県下で開催される大規模なスポーツイベントにおいて、スポーツ鍼ケアステーション設置の企画運営に中心的に参画、安心安全な鍼灸治療を多くに人に体験していただくための広報普及活動に邁進している。