鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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皆さんは鍼治療を受けた後に熱が出たことはありませんか?もしくは、治療後の発熱が怖くて鍼を受けることをためらってしまう方もいるかもしれません。
一方で、鍼治療によって熱が治まる場合があることもご存知でしょうか?
治療後の悩みとして発熱と鍼が関連しているのはもちろん、発熱の治療として鍼が選択できる場合もあるのです。
そこで今回は、鍼と発熱の関連性について詳しく紹介します。
このコラムの目次
そもそも鍼治療とは、東洋医学の一種で、からだのツボを刺激することによって血行を良くする治療法です。
血行が良くなることで基礎代謝や体温が上がるので、これが「発熱」といった形で現れる可能性があります。
▼ポイント 発熱の定義は37.5度以上を「発熱」とし、38.5度以上が「高熱」とされています。 |
鍼治療後の発熱は、鍼を打った箇所に刺激が加わったことによる血行促進や過剰反応が発熱の原因とされています。
鍼を受けた刺激による一時的な発熱を、鍼灸の専門用語で「好転反応」といいます。
眠気やだるさ、発汗など治療後に出る発熱以外の症状も好転反応です。
好転反応による発熱は回復の兆しなので、不安を感じる必要はありません。通常は2〜3日で引いていくことがほとんどですが、もし長引く場合には医師に相談するようにしましょう。
鍼治療による発熱を伴う場合には、以下の2パターンが考えられます。
回復反応は血行が改善され、鬱血していた血液が流れ出すことで表れる反応のことです。体を横にして、できるだけ安静にするようにしましょう。
弛緩反応は治療でほぐれた筋肉の毒素や老廃物が体内を巡ることで表れます。対処法としては、やはりできるだけ安静にしているのが良いでしょう。お水を飲んで排毒を促進させるのも効果的です。
鍼治療によって血行が促進され発熱に繋がる仕組みはご理解いただけたと思いますが、実は鍼治療は、熱の要因軽減にも効果があります。
例えば呼吸器のツボを刺激して咳を伴う発熱症状を和らげる治療をしたり、鼻のツボを刺激して鼻水を伴う発熱症状を和らげるといったアプローチができます。
治療だけでなく、発熱予防も可能です。鍼で睡眠の質や免疫力向上など、発熱しにくいからだ作りを日常的に意識することで、結果的に風邪をひきにくくなることもあるでしょう。
発熱時に鍼を受けて良いのかな?と疑問に思われるかもしれませんが、このように発熱の治療としても検討できます。詳しくは、お近くの鍼灸院へぜひご相談ください。
鍼治療はからだのツボを押す治療方法のため、発熱に関連するツボを知っていれば、自宅でも発熱対策をすることは可能です。
もちろん鍼灸院で治療を受けた方が体調改善は見込みやすいですが、新型コロナウイルスの影響で外出するのに抵抗がある方も多いでしょう。
そこでここからは、いくつか発熱に関連するツボを紹介します。
寒気を取り除くツボです。襟首の骨のすぐ下にあり、首を下に曲げたときに骨が出てくる箇所のすぐ下が目安になります。温めて刺激するのがおすすめです。
だるさを抑えるツボです。親指の付け根になり、少し強めに指圧するのがおすすめです。
鼻水を抑えるツボです。小鼻の横を、指圧しながら小さな円を描くイメージで押してみてください。
鍼灸院に行けない時などにも活用してみてください。ご自身でも扱いやすい「鍼シール」もおすすめですよ。
最後に、鍼治療と熱に関してよくある質問について、もう少し触れていきたいと思います。
はい、子どもの発熱症状にも鍼治療は効果的です。
子ども向けに特化した鍼を「小児鍼」と言い、鍼を刺すのではなく、ツボをさすったりトントンと叩いたりして治療します。
発熱する度に薬を飲ませるのは不安という方にもおすすめです。自然治癒を促し、発熱しづらいからだを作ることができますので、ぜひ受けてみてください。
可能ですが、できるだけ熱が下がってから受けることをおすすめします。発熱していても歩けて、食欲がある程度なら様子を見ながら治療を受けてみても良いでしょう。
鍼灸院に予約する前に何度ぐらいの発熱なのかを伝え、治療を受けるべきかどうか判断してもらってから治療を受けた方が安全です。
今回は鍼治療に関連する発熱について紹介しました。
治療後の発熱は「好転反応」という体が回復しているサインなので心配はいりません。横になって安静にしていれば大抵は短期間で治ります。
それでも治らない場合は、最寄りの医療機関にご相談ください。
また解熱や発熱予防としての鍼治療は、からだ本来の回復力や防御力を高めるためのものです。ウイルス感染などの発熱時はまずは医療機関を受診しましょう。
今回紹介した内容で、鍼に関する発熱の疑問や不安が少しでも解消できれば幸いです。
このコラムの監修者
船水隆広
学校法人 呉竹学園 臨床教育研究センター マネージャー
経絡治療学会、日本伝統鍼灸学会、NPO法人日本更年期と加齢のヘルスケア学会、多文化間精神医学会、(一社)こころ鍼灸協会理事
はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師
臨床歴は20年を超え、欧米やアジア各国など、国内外で鍼灸の指導に当たる。自身が考案したてい鍼術「さざなみてい鍼術」と経絡治療を用い、ストレスケアと心の病に対する治療を医師と連携して行っている。被災地では鍼灸治療スタッフとして施術を行う。てい鍼施術効果の科学的研究で修士号を取得。