鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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美容鍼とは、リフトアップやほうれい線・シワ・たるみの改善など、主にフェイス周りの美容目的で行われる鍼治療のことを言います。近年では、美容鍼を専門とした鍼灸院が続々オープンして人気が高まっているので、すでに検討中の方も少なくないでしょう。
特に初めて治療を受けるときはドキドキですが、せっかく受けるのであれば、その効果もしっかりと感じたいですよね。
そこで本記事では、美容鍼の効果や仕組み、また個人でもできるケアについて徹底的に解説します。
このコラムの目次
美容鍼は、その名の通り「美容」と「鍼治療」の2つの特徴を兼ね備えた治療法です。
スキンケア用品やマッサージのように、肌の外側からアプローチするだけでなく、内側からも働きかけるのが特徴です。
鍼治療の方法や手技を取り入れながら、リフトアップやほうれい線・シワ・たるみの改善など、美容に特化した治療ができます。
美容鍼が何に対して効果的なのか、本記事をお読みの皆さんは最も気になるのではないでしょうか?ここではまず、効果の種類や持続期間、しっかりと効果を感じるための通院の頻度について解説します。
美容鍼は顔面部を中心に鍼を刺して治療を行います。
そのとき、皮膚の表面から鍼を刺入することで、肌の細胞が「傷をつけられた!」と認識し、壊れた組織を修復しようとします。
そうすると血行が促進され、老廃物の排出や自然治癒力UPを促し、結果としてさまざまな効果を期待できる仕組みです。
美容鍼は、さまざまなお顔の悩みを解消できる美容法です。
顔の悩み | 美容鍼の効果 |
シミやそばかす | 鍼で、気になるシミやそばかす部分やそのまわりの血行を良くすることで解消していく |
ゆがみ (アンバランスな顔の筋肉) |
表情筋の疲れや噛み疲れ、利き目も影響してゆがみが出ているタイプであれば、そこに鍼を打ち、筋肉の緊張を緩め、ゆがみを解消していく |
顔色 | 鍼で血行を良くする効果により顔色が改善されていく |
肌質の改善 | 鍼を皮膚に刺すことで、血流を促し細胞が活性化され、肌質も改善されていく |
また美容鍼では、リンパや血の巡りが改善されるにしたがって、目に見えて「むくみ」が解消される特徴もあります。このため治療後にフェイスラインに手を置くと、シュッとしたラインを感じますし、鏡で見ると「顔が小さくなった」ように見えます。
美容鍼を打つと、お顔の悩みが解消されるだけでなく、同時に「むくみ」も解消されるのは嬉しいポイントでしょう。
ではもともと肌に悩みのない人に美容鍼は意味がないのか?と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、実はそんなことはありません。
今の肌がとても良い状態であれば、年齢を重ねていく上でも、その肌のハリや弾力をキープしていきたいところです。美容鍼には、肌のハリや弾力を保つために必要なコラーゲンを生み出す効果があると言われています。
つまり美容鍼は、肌の良い状態をキープしつつ、肌や体の老化防止も期待できます。美容と健康を一緒に管理できる治療なのです。
美容鍼は顔に鍼を打つ治療法が多いですが、その方法は鍼灸院によってさまざまです。ここでは、気になる美容鍼の手法や使用するアイテムについて解説します。
美容鍼と言っても、下記のようにいろいろな手法があります。
鍼灸に流派があるように、美容鍼にも多くの流派があり、手法や得意分野が違います。事前にホームページなどで確認しておくことをおすすめします。
目的によって多様な効果を期待できる美容鍼ですが、実際の治療で使われる鍼もさまざまです。
毫鍼(ごうしん)は、国内で使われている“刺す鍼”のもっとも代表的な鍼です。中でも美容鍼のときは、痛みの程度を柔らげるために、からだ用よりも細い鍼を使うことが多くなっています。
太さ | 長さ | 特徴 | |
からだ用 | 0.14〜0.18㎜ | 30~60㎜ | からだはもちろん美容鍼でも使う |
美容鍼用 | 0.10~0.14㎜ | 15~30㎜ | 繊細な部分に優しく打てる |
※上記はあくまで一例です、流派や部位によって使用する鍼は異なります。
鍼灸師によっては、からだ用を使う場合もありますので、不安な方はなるべく細い鍼を使ってもらいましょう。
パルス美容鍼は、鍼に低周波を流す美容鍼です。顔に鍼を刺し、端子やクリップで治療器とつなぎ、5~10分程度、トントンと感じる程度の電流を流すと、血の巡りが良くなり、リフトアップ効果が期待できます。
他にも、化粧品や灸、カッサを組み合わせる美容鍼もあります。
美容鍼をする前にクレンジングとして取り入れたり、治療後の肌を整えるために化粧品を取り入れています。
顔に灸を取り入れている鍼灸師は少ないですが、じんわり温かい程度のお灸(台座灸)を取り入れると、血の巡りが良くなり、顔色が改善できます。
ここからは、実際に美容鍼を受けるときの流れについて説明します。
当日は鍼灸院に着いたら、担当鍼灸師の案内にしたがってください。鍼灸院によって異なりますが、主に下記のステップになります。
来院したら、当日の肌やからだの状態などを伺い、治療内容を決めます。
この同意書は美容鍼(顔面部)を受ける際に、事前に効果や出血についての説明です。治療を受ける前によく読んで、了承後サインしてください。
鍼灸院によって治療内容が違います。美容鍼のみを打つだけのところやほかのアイテムを組み合わせた美容鍼をするところなど、ご自分のご希望のものをホームページなどで確認するようにしましょう。
美容鍼の効果を確認していただけます。治療結果に合わせて、日常生活や美容のアドバイスをしてもらいましょう。
▼ポイント 美容鍼の最中にリラックスして眠ってしまう方もいます。この眠るほどのリラックスにより、顔だけでなくからだ全体への効果がアップすると考えられていますので、安心して休まれてください。 |
美容鍼の治療時間は、30分から長くて2時間といったものまでさまざまです。
時間が気になるようであれば、予約を入れる際に、そこの鍼灸院で受ける美容鍼の時間がどの程度かかるものか確認しておくといいでしょう。
美容鍼の効果は個人差によって異なりますが、目安として3日から、長い方は10日ほど続きます。ただし、体調や環境によっても変化することを覚えておきましょう。
受ける頻度は、こちらも目安ですが、最初は1週間に1回をひと月、それから2~3週間に1回を数回、その後は健康管理を目的とするならば月1回程度が望ましいでしょう。改善したい悩みや症状によって、受ける頻度が変わってきますので、初回のカウンセリング時に鍼灸師にご相談ください。
最近は、顔の悩みや肌質をよくしてくれる点などから、ブライダルエステとして受けられる方も増えてきました。また同窓会や成人式の前に受ける方もいます。美容鍼を受けられる場合は症状の改善までに時間がかかる場合もあるので、余裕を持って相談しましょう。
美容鍼は、国家資格を持つ鍼灸師から受けるものですが、ご自分でも美容鍼のような効果のあるセルフケアができるグッズがあります。
鍼治療でも使っているローラー鍼を美容に用いる方法です。この鍼は、ローラーのまわりに先が丸くなっている突起のような粒がついているものです。セルフケアで使う場合は、目のまわりなど繊細な部分は避け、やさしくコロコロと転がしてみましょう。顔の上を転がすと、皮膚の血流が良くなり、顔色が明るくなります。
▼ポイント ローラー鍼は肌に直接刺さないため、小さなお子さまを対象とした「小児鍼」にも使われています。 |
鍼治療でも使われる鍼シールを美容に用いる方法です。鍼シールは、シールに鍼がついているタイプのもので、鍼治療よりも刺激が少ないものです。肩こりのセルフケアにも使用できます。
美容鍼を受けたアフターケアとして用いる方や、美容鍼を受けるのが怖いと感じている方にもおすすめです。鍼シールを顔に使う場合は、表情筋はもちろん、目のまわりの繊細な部分にもアプローチできます。ご使用になる場合には、鍼灸師にご相談ください。
最後に、美容鍼でよくある質問にお答えします。
マッサージや他の治療を同時に受けたい場合は、カウンセリングの際にご相談ください。
ただし、美容鍼を受けた後にのぼせたり、眠気を感じているようなら、それ以上の刺激はからだにとってあまり良くない可能性もあります。その場合は、すぐに鍼灸師に申し出てください。
美容鍼の後は、血の巡りが良くなっているので、積極的に化粧水や乳液を塗布してあげてください。
▼ポイント ①化粧水や乳液を手のひらにとり、温めてから、片手で肌に少しずつ塗布します →温めることで、肌になじみやすくなります ②塗布し終わったら、顔全体を両手のひらで包み込みながら、塗布した化粧水や乳液を肌に浸透させます |
化粧水や乳液を塗布した後、鎮静効果やホワイトニング効果のあるフェイスマスクなどを取り入れると、より肌に透明感やツヤが出るのでおすすめです。
もし内出血などが出来た場合は、時間をおいてから化粧品などを塗布するようにしましょう。
生理中でも受けられますが、肌が敏感になっているために、いつもよりも鍼が痛く感じる可能性があります。生理が重い方や、長く同じ姿勢でいるとつらい方は、鍼灸師に相談してから美容鍼の受診を決めることをおすすめします。
美容鍼を受けた後に、赤くなったり、腫れたりしても、翌日には、あまり目立たない程度になりますし、ファンデーションなどでカバーできます。内出血が出来る場合は、コンシーラーなどで隠せる程度の小さいもので、1週間程度で目立たなくなります。
もし、アレルギー反応が心配であれば、予約またはカウンセリングの際に鍼灸師にご相談ください。
ホームページや口コミページなどを確認して、ご自分が望んでいる美容鍼かどうか確認してみましょう。その際、ご自分の不安な部分などを相談できる鍼灸師を選ぶことをおすすめします。
初めての鍼灸院の選び方!失敗しない見極めポイント7つを徹底解説
美容鍼は、芸能人や海外セレブもこぞって受ける人気の美容法です。
副作用がほとんどなく、肌の悩みを解決してくれる健康法の一つとしておすすめします。
ぜひ、ご自分の症状や悩みを解決してくれる鍼灸院またはサロンを見つけて、すっぴんで透明感ある肌を目指しましょう。
このコラムの監修者
折橋梢恵
美容鍼灸の会 美真会 会長
(公社)全日本鍼灸学会
はり師・きゅう師 、教員資格 、日本エステティック協会認定エステティシャン 、日本化粧品検定協会コスメコンシェルジュインストラクター
東京衛生学園専門学校 教員養成科を卒業後、鍼灸学校で非常勤講師を務めながら美容鍼灸の先駆けとして有名なセラ治療院で(故)町田久氏に師事し美容鍼灸と栄養学を学ぶ。また提携先である最高級エステティックサロン「スタイルM」にて美容鍼灸施術を担当し多数取材を受ける。その後、東京都港区の白金台に白金鍼灸SalonFiumを開院する。日本エステティック業界の重鎮である藤井峯子氏にも師事し、エステティシャンの資格を取得。「鍼灸」と「エステティック」を融合した折橋式美容鍼灸「美身鍼」を確立する。その後、美容鍼灸の普及と後身の教育を目指し、美容鍼灸の会美真会を設立。現在までに、主要6都市美容鍼灸全国セミナーの講師、美容鍼灸の祭典美容鍼灸フェスタの主催者、ビューティーワールドジャパン2016メインステージ演者などを務める。主な著書には美容鍼灸師ガイドブックや折橋式美容鍼灸シリーズの書籍などフレグランスジャーナル社から5冊出版している。