鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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鍼治療で根本から症状の改善を目指すのであれば、鍼灸院へ「通う」ことが前提になります。
あくまで目安にはなりますが、症状やからだの状態によっては、週に1回の頻度で通う場合や、月に1回からの通院の場合もあります。
本記事では、症状ごとに通う頻度がどう異なるのか、理想的な頻度ついて詳しく解説していきます。
このコラムの目次
鍼治療は、「経穴(けいけつ)」と言われるからだのツボを鍼で刺激することで、血行が促進され代謝の働きをサポートする東洋医学の一分野です。
鍼によってあえてからだの一部を傷つけることで、もともと私たちのからだに備わっている自然治癒力を高めることに繋がり、慢性的な症状の改善や健康維持が期待できます。
整体などでコリをほぐすこととは異なり、鍼治療は不調の原因そのものにアプローチする治療法であることが特徴です。
鍼治療に通う頻度は、からだの状態や症状・目的ごとに異なり、初回の治療後に、今後の治療(通院回数や頻度)について説明されるのが一般的です。
頻度は人によって違っても、共通する治療方針はからだ全体のバランスを整え「治るからだのベース」づくりからしっかり行っていきます。
ここでは以下の症状を例に鍼に通う大体の頻度について触れていきましょう。
目的 | 治療を始めた頃 | 治療の効果が表れてきたら |
肩こり・腰痛改善 | 週に1〜2回 | 2週に1回→月に1回 |
寝違え・ぎっくり腰治療 | 毎日 | 週に2〜3回 |
健康維持 | 週に1〜2回あるいは月に1〜2回 | |
妊活 | 排卵前・排卵後に1回ずつ+月経3~5日目に1回を3ヶ月ほど | |
美容鍼 | 週に1〜2回 | 月に1~2回 |
小児鍼 | 週に1〜2回 | 2週に1~3回 |
まずは慢性的な症状の代表とも言える、「肩こり」や「腰痛」の場合は、治療を始めた頃は週に1〜2回、効果が表れてきたら少し頻度を下げ、2週に1回あるいは月に1回程度の通院が目安になります。
肩こりと腰痛はどちらも症状が慢性化しやすく、一度の治療で改善まで導くことは難しいため、担当の鍼灸師と相談しながら治療を行っていきましょう。
▼通院スケジュール目安
寝違えやぎっくり腰などの急性的な症状は、日常生活に支障が出ることが多いので可能ならば毎日通うのが理想です。
急性的な症状でも、日常生活に差し支えない程度の痛みなら1回の治療で改善することが多いです。
歩けないほどではないけど、生活に少し支障が出るレベルであれば週に2〜3回通うと良いでしょう。
健康維持目的の場合は、週に1〜2回(あるいは月に1〜2回)ほどの頻度での治療が理想的です。
慢性的な症状を緩和したり、自然治癒力を上げて風邪をひきにくいからだにするためにも鍼治療は効果的です。体調管理の一環として鍼治療を受けることもお勧めなので、リフレッシュも兼ねて定期的に通ってみても良いかもしれません。
鍼治療は不妊治療の一環としても選択される場合があります。生理の周期などと照らし合わせた頻度で治療することが多いです。
排卵前に1回、排卵後に1回、月経3~5日目に1回を3ヶ月ほど続ける |
また、妊娠後も鍼治療は続けることができます。
妊娠初期のつわりの症状や、中期、後期のマイナートラブル(肩こり・腰痛・むくみなど)、逆子のお悩みも相談できる鍼灸院もあります。
不調があるけど薬を飲むのも怖い、という方には薬を使わない対策としても鍼治療が選択できるでしょう。
美容鍼は、鍼治療の効果が表れ出すまでを基準に、頻度が決まるようなイメージです。
以下のような頻度で考えておくとわかりやすいかもしれません。
効果があるまで | 週に1回 |
効果が出始めたら | 月に1~2回 |
美容鍼は治療を受ける度に細胞が活性化されていきます。
定期的に受けていれば、効果が2〜3週間持続することが多いので、効果が途切れないような頻度で受けるのも良いでしょう。
小児鍼の頻度は、週に1回ほどが理想です。
もしくは、夜泣きや疳の虫の症状がひどい場合には週に2〜3回ほど通うのも良いでしょう。
鍼治療の頻度を適正にし、費用対効果を得るためには、実際に通ってみることが前提となります。
その上で適正頻度について鍼灸師にアドバイスを貰い、自分の好きなタイミングを見つけるのがベストでしょう。
しかし、悩みを改善するためにできるだけ多く通いたいと思っても、「費用についての不安がある」という方もいるかもしれません。
そこで本章では、鍼治療の頻度と費用の関連性について目的別に深掘りしていきます。
慢性的な症状を改善するためには、「治るからだのベースづくり」のため、初めはこまめに通うことを提案されることが多いです。
頻回であれば、その都度かかる費用に対して不安を感じる方もいるかもしれません。かといって通わずにいると改善しませんし、体質改善にも繋がりません。
そこで注目したいのが、保険適用です。
鍼治療は保険が適用される症状もあります。
費用についての悩みも解消しますし、適度に通うことも現実的になりますので、保険適用についても検討してみてください。
鍼灸院は「通わないと」と義務感を持ってしまうと、通うこと自体が負担になってしまう場合があるので、あくまでもご自身にとってリラックスできる頻度で考えてみることをおすすめします。
美容鍼は、肌のコンディションや目的によって頻度が異なります。そのため自己判断はせず、鍼灸院に相談をしてから適正頻度を決めましょう。
また、リラックス目的であれば、自分の費用感やスケジュールに合わせて無理ない頻度で通いましょう。
治療の持続効果が途絶えるタイミングを狙って施術を受けるようなルーティーンにすると、費用の問題も解消され、スケジュール管理もしやすくなりますよ。
今回は鍼治療に通う頻度について触れていきました。
症状や目的によって適正頻度は異なり、人それぞれです。
症状の改善を見込むには、頻繁に通うことが大切にはなりますが、闇雲に通っても費用やスケジュールの面で負担になってしまいます。まずは鍼灸院に行き、からだの状態や症状を把握しましょう。通うペースや費用感に不安があれば担当の鍼灸師に相談し、ご自身に合った頻度を決めていきましょう。
鍼治療に通う頻度についてお悩みの方にとって、今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。
このコラムの監修者
三瓶真一
一般社団法人 福島県鍼灸師会 会長、一般社団法人 JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)監事、東北鍼灸学会 副会長、公益社団法人 全日本鍼灸学会 東北支部学術委員
一般社団法人 福島県鍼灸師会 、一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)、東北鍼灸学会 、公益社団法人 全日本鍼灸学会
はり師・きゅう師
一般社団法人福島県鍼灸師会会長として、また不妊症等の鍼灸治療では国内随一の専門団体である一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)の前身である不妊鍼灸ネットワーク時代から副会長を務め、日常診療の傍ら、後進の育成に注力。国内の鍼灸師会や学会などで、年間に不妊症の講義を多数実施。(公社)第64回全日本鍼灸学会学術大会ふくしま大会の事務局長も務める。
一般社団法人 福島県鍼灸師会 会長、一般社団法人 JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)監事、東北鍼灸学会 副会長、公益社団法人 全日本鍼灸学会 東北支部学術委員三瓶鍼療院