鍼治療の効果が出るのはいつから?効果を感じるためのコツや通院スケジュールも解説
2022.07.13
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鍼治療でできる「あざ」は、体質にもよりますが、長くても2~3週間ほどで消えることが多く、ずっと残るものではありません。
しかし、目立つ場所にあざができてしまったら嫌な気持ちになりますよね。
そこで本記事では、あざが怖いと思っている方に向けて、あざができる原因やどんな人がなりやすいのか、あざができた場合の対処法・予防策について徹底的に解説していきます。
このコラムの目次
さまざまな治療法がある中で、鍼は比較的、副作用が少ないと言われています。しかし、鍼をからだに刺しているため、稀に出血やあざ(内出血)を伴うことがあります。
鍼に興味があったのに「あざができることがある」と聞くと急に不安になったり、一度あざを経験して怖くなったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この章では、そもそもなぜあざができてしまうのか、あざができやすい人の特徴はなにかについて詳しく説明していきます。
鍼治療によるあざ(内出血)の原因は、何らかの理由により弾力性がない血管を鍼が傷つけてしまうことです。
血流が悪く弾力性がない血管は、通常の血管より脆く傷つきやすいため、髪の毛ほどの細い鍼でも傷ついてしまうことがあります。傷ついた血管から漏れた血液が体外へ出ず、皮下にとどまった状態をあざと言います。
あざになりやすい血管を具体的にイメージするために、良い血管と悪い血管を比較してみましょう。
▼正常な血管
▼不健康な血管
このように、弾力性のない血管に鍼が当たってしまうとあざの原因になってしまいます。
確かに、鍼灸師の技術不足により、あざができてしまうこともあるようです。
しかし、長年鍼を打ってきた熟練者だからといって絶対に内出血を起こさないとも言い切れません。
なぜなら、毛細血管は非常に細かく、全身に広がっているため完全に避けて鍼を刺すことは難しいからです。
「毛細血管」は太い血管が非常に細かく枝分かれし、網目状につながっている細い血管で、太さは赤血球がやっと通れるくらい(直径8~20μm)の細さです。全身の毛細血管をつなげると、なんと地球2周半ほどの長さになる!ともいわれています。
そんな無数にある毛細血管を見分けて傷つけないように鍼を刺すというのは、どんなにベテランの先生でも難しいと言えます。
あざになることは「悪いこと」と思われがちですが、体質や健康状態によって誰でもできる可能性があります。
<あざになりやすいケース> ▼遺伝や体質
▼ストレスや疲労
▼病気
▼喫煙・加齢
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意外と多くの方が当てはまるのではないでしょうか?
あざは長くても2〜3週間ほどでいつの間にか消えていきますが、「ずっと残ってしまったらどうしよう?」と心配になりますよね。
そこでより安心していただくために、実際にあざができてしまった時の対処法について説明していきます。
あざができた時の対処法を紹介します。
あざができた直後は、指で軽く押さえ、内出血した場所を氷で冷やすとあざが早く治ると言われています。
基本的には内出血を起こしたあと、痛みがあったり、プクッと腫れていたりする時は冷やし、そのあと痛みや腫れがなくなった後は温めます。
温めることで血行を良くし、新陳代謝を高めることで皮下に残った血液が体内に吸収されやすくなるのを補助することができます。
おすすめは、お風呂に入りながら、あざの周りを優しくマッサージしてあげるとリラックスできて、からだも温まり、全身の血行が良くなるので効率的です。その際は内出血を起こした場所を触らないようにしてくださいね。
あざを早く消してくれるお灸として知られる、知熱灸(ちねつきゅう)をご存知でしょうか?
知熱灸は、円錐状に固めた艾(もぐさ)を皮膚の上に直にすえ、熱感を感じたり、8割方燃えたところで取り除く、古くから行われている灸法の一つです。
もちろんあざを魔法のように消してくれる訳ではありませんが、局所的に血流を改善してくれるお灸のため、あざを早めに消すお手伝いをしてくれます。
知熱灸をやってみたい方は、鍼灸院で相談をしてみてください。
また、熱さに敏感だったり、火傷が心配な方は、皮膚の上に艾を直にすえずに、艾と皮膚の間に何かを挟む間接灸というタイプもありますので、検討してみてください。
最後に、あざを予防するポイントを4つ説明します。
鍼が太いほど内出血した際にあざは大きくなりやすいので、あざになることが心配な方は細い鍼で治療をしてもらうと良いでしょう。
鍼灸師が使う鍼は髪の毛と同じくらい細いと言われていますが、さらに数ミリ単位で細かく種類があります。一般的には、細いもので0.10㎜から太いもので0.30㎜くらいの鍼があり、治療する部位や患者の体質によって鍼の太さを使い分けています。
あざの原因は、血行が悪いこととお伝えしましたが、お肌の状態はそのバロメーターになります。
特にお顔は、からだ中のパーツの中でもデリケートな場所です。肌トラブルが多いお顔に鍼を刺すと、肩や腰に刺した時よりあざになりやすい傾向にあります。
お肌が荒れているということは、血行が悪いことにより肌の代謝がうまく働いていない証拠なので、普段からお肌の不調を整えることは重要なことです。
▼お肌にいい生活を心がけましょう
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乱れやすい食生活や睡眠を見直してみたり、美容の観点から手軽にできるケアをして、からだの土台をつくりましょう。
肌の調子を整えることで、あざができにくいからだづくりになるだけでなく、美容鍼の効果を引き出すことにも繋がります。
結婚式などのイベント前であれば、肌が露出する部位やあざができやすい箇所の治療を避けてもらうよう鍼灸院に事前に申告しておきましょう。
ネットの口コミなどを参考に、特に技術の高い鍼灸院を選びましょう。
丁寧な鍼の刺し方・抜き方、内出血を予防する鍼の前後の手技など、鍼灸師の技量や工夫であざが起きる確率を下げることは可能です。
口コミが全くない鍼灸院ならば、治療経験や、技量もある鍼灸師がいるかといった情報を得にくくなります。あざのリスクを減らすには、ユーザー評価を確認するようにしましょう。
あざは、誰にでも起こり得ることがおわかりいただけたでしょうか。
治療者は内出血を起こさないように、技術や鍼の工夫でリスクを最小限に減らす努力をしています。
もし、鍼灸治療を受けてあざができてしまっても、時間が経てばいつの間にか消え、ずっと残ることはありません。
あとは、あなたの不調を改善し元気になることです。そして、そのお手伝いをできるのが鍼灸治療です。
この記事で、鍼に対して抱いてしまったネガティブな感情が少しでも軽減し、一度は鍼から離れてしまった方も「もう一度鍼をやろうかな」と思っていただけたら幸いです。
このコラムの監修者
折橋梢恵
美容鍼灸の会 美真会 会長
(公社)全日本鍼灸学会
はり師・きゅう師 、教員資格 、日本エステティック協会認定エステティシャン 、日本化粧品検定協会コスメコンシェルジュインストラクター
東京衛生学園専門学校 教員養成科を卒業後、鍼灸学校で非常勤講師を務めながら美容鍼灸の先駆けとして有名なセラ治療院で(故)町田久氏に師事し美容鍼灸と栄養学を学ぶ。また提携先である最高級エステティックサロン「スタイルM」にて美容鍼灸施術を担当し多数取材を受ける。その後、東京都港区の白金台に白金鍼灸SalonFiumを開院する。日本エステティック業界の重鎮である藤井峯子氏にも師事し、エステティシャンの資格を取得。「鍼灸」と「エステティック」を融合した折橋式美容鍼灸「美身鍼」を確立する。その後、美容鍼灸の普及と後身の教育を目指し、美容鍼灸の会美真会を設立。現在までに、主要6都市美容鍼灸全国セミナーの講師、美容鍼灸の祭典美容鍼灸フェスタの主催者、ビューティーワールドジャパン2016メインステージ演者などを務める。主な著書には美容鍼灸師ガイドブックや折橋式美容鍼灸シリーズの書籍などフレグランスジャーナル社から5冊出版している。