鍼シールとは?美容やコリ・疲れに効果的なツボや注意点を徹底解説

鍼シールは、からに貼るだけで鍼灸の効果を得ることができるセルフケア鍼です。本記事では、鍼シールの効果的な使い方や注意点、また鍼シールを普段から治療に使用している鍼灸院のかかり方について解説します。

鍼灸は受けたいけど、鍼を刺すのは怖い。

そんな方にぜひ体験してもらいたいのが「鍼(はり)シール」です。

鍼シールは、からに貼るだけで鍼灸の効果を得ることができるセルフケア鍼です。場所も時間も選ばずご自分で鍼治療ができるため、アスリートの間でも使用されています。

本記事では、鍼シールの効果的な使い方や注意点、また鍼シールを普段から治療に使用している鍼灸院のかかり方について解説します。

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鍼灸の基本について知りたい方は、別記事「【必読】5分でわかる「鍼灸」とは?効果やメカニズムを徹底解説」をあわせてご覧ください。

鍼シールとは

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鍼シールとは、極めて小さな鍼がついたシールのことです。

シールに付く鍼は短く、鍼先は尖ってないので、痛みはほとんど感じません。からだに貼るだけで、筋肉の緊張やコリ、ツボの部分を刺激し、つらい症状を改善してくれます。

シールの部分は、指先大はまたは一円玉より小さいサイズで、目立たない肌色が一般的です。貼ったまま普段通りに過ごせますし、外出時も気になりません。

肌への痛みや傷が心配なら、鍼先のない指圧刺激タイプもあります。

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鍼シールのメリット

鍼シールのメリットは、シールを貼るだけで、国家資格者の「はり師」「きゅう師」だけでなく一般の人でも簡単に扱えることです。

「鍼灸院に行く時間がないな」「鍼灸院はなんとなく怖いな」と感じている方なら、まずは鍼シールで鍼施術に近い効果を体験してみるのをおすすめします。

効果的な鍼シールには、いくつか種類がありますので、ご自分の症状に合わせて適切な物を選びましょう。わからないことや不安な場合は、鍼灸師に相談するか、メーカーのホームページを参照しましょう。

鍼シールのデメリット

手軽にセルフケアができる鍼シールですが、デメリットもあります。それは、鍼灸院で受けられる治療よりも、すぐに効果を期待しづらいことです。

鍼灸施術では、患部に鍼を深く刺したり、動かしたりし、効果を得ることができます。

一方で鍼シールは、鍼が短いために患部に深く刺入することができません。またシール状になっており自ら鍼を動かすこともできないので、鍼灸院に通った場合の効果よりも穏やかに作用します。

他にも、鍼灸を受けたことのない方や、鍼シールを使用したことのない方が、初めて使うときに「怖い」と感じてしまうリスクもあります。

もし鍼シールをお一人で使うことが不安な場合は、お近くの鍼灸院に相談しましょう。鍼に対しての恐怖心や、正しい鍼シールの使い方などを解説してくれます。

鍼シールの購入場所

鍼シールは、全国の薬局で購入することができます。

最近ではネットショップやオークションサイトを利用される方もいますが、薬機法上、専門資格を要する鍼灸師・医師以外へのオンライン販売は禁止されており、一般人が独自の判断で購入するのは非常に危険です。

購入後のトラブルについては購入者の自己責任となってしまいますので、正しい使い方について理解するためにも、できるだけ鍼灸師や医師へ直接相談するようにしてください。

鍼シールの主な効果とは

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鍼シールには、からだのツボやコリに貼るだけで効果が期待できます。

主な効果は、血行改善を促してくれるものです。また血行が改善することで、美肌効果もあります。

血行改善

手軽に使える鍼シールの効果の一つは、血行改善(血流の改善)を促してくれることです。

肩こりや腰痛などの患部にシールを貼ると、まずシールについている鍼が患部を刺激します。するとその患部は、外部からの刺激を察知し血液を集め始めます。その集められた血液で、患部の筋肉や組織に酸素や栄養が送られ、血行が改善してゆきます。

このように患部の血行改善が促されるので、コリやむくみを改善できる仕組みです。

美肌効果

鍼シールをお顔に貼ると、肌にハリが出る、顔色がよくなる、肌荒れなどを静めるなどの美肌効果も期待できます。

皮膚が鍼シールの刺激を受けると、血行が改善され、コラーゲンやエラスチン(肌のハリを出してくれる)などの生成を促進します。結果的に新陳代謝がアップし、肌全体に美肌効果をもたらす仕組みです。

鍼灸の現場では、顔の中でも目元など細かいシワの部分に、鍼シールで治療しているところもあります。

鍼シールなら目元の薄い部分でも、付いている鍼が短いため、深く刺さる心配もなく、安全に治療ができるからです。

目的別!鍼シールの正しい貼り方

ここからは、自身で鍼シールを使うときの代表的なツボを紹介します。こちらで鍼シールの正しい貼り方をマスターしましょう。

ツボの位置はおおよそでも大丈夫です。まず鍼シールをペタッと貼ることから始めてみましょう。

個人のからだの状態に応じて変化しますので、あくまでも一般例としてご認識ください。

肩がこっている

長時間のデスクワークや、スマフォやタブレットをじっと見ていると、肩や首がこりませんか?

そんな時は、まず肩こりに効果的なツボに鍼シールを貼りましょう。

ここでは、肩の痛みを軽くしてくれる、肩から首まわりのツボをご紹介します。

  1. 大椎(だいつい)

    首を前に倒したときに飛び出す骨のすぐ下あたり

  2. 肩中兪(けんちゅうゆ)

    首を前に倒したときに飛び出す骨から指3本外のあたりで、押すと痛いと感じるところ

  3. 肩外兪(けんがいゆ)

    肩中兪から下がり、肩甲骨の内側の角(上縁)あたりで、押すと痛いと感じるところ

  4. 肩井(けんせい)

    指を乳頭からまっすぐに肩の上までさすりあげ、押すと痛いと感じるところ

  5. 天宗(てんそう)

    肩甲骨の真ん中あたりで、押すと痛いと感じるところ

肩まわりのツボを取るポイントは、「押すと痛いと感じるところ」です。

他にも

  1. 風門(ふうもん)

    大椎の上にある飛び出した骨に指をおき、背骨のでっぱりを2つ下がり、そこから左右指2本分外のところ

  2. 大杼(だいじょ)

    大椎の上にある飛び出した骨に指をおき、背骨のでっぱりを下がり一つ目と二つ目の間で、そこから左右指2本分外のところ

  3. 曲池(きょくち)

    親指を上にし、腕を前に出した状態でヒジを曲げ、曲げてできたシワの先端のところ 

も追加すると、肩こりだけでなく、自律神経も整えてくれます。

腰痛や背中の張りを感じる

腰や背中に痛み・張りを感じるときは、背中のツボを刺激しましょう。

  1. 志室(ししつ)

    腎兪から左右指2本分外のところ

  2. 大腸兪(だいちょうゆ)

    左右の骨盤の上端から背骨のほうにたどり、背骨から左右指2本分外側のところ

  3. 心兪(しんゆ)

    首を前に倒したときに飛び出す骨から、背骨のでっぱりを5つ下がり、そこから左右指2本分外側のところ

  4. 膈兪(かくゆ)

    肩甲骨の下端の高さで、背骨から左右指2本分外側、ちょうど筋肉が盛り上がっているところ

  5. 肝兪(かんゆ)

    膈兪のある背骨から2つ下がり、そこから左右指2本分外側のところ

  6. 脾兪(ひゆ)

    肝兪のある背骨から2つ下がり、そこから左右指2本分外側のところ

  7. 三焦兪(さんしょうゆ)

    腎兪のある背骨に指を置き、その指を一つ上に滑らせた部分から、左右指2本分外側のところ

  8. 腎兪(じんゆ)

    ウエストのくびれに両手をおいて、背骨をたどり、背骨から左右指2本分外側で、押して痛気持ちよく感じるところ

  9. 胞肓(ほうこう

    仙骨の4つのくぼみの内、2つ目のくぼみから指3本外側の左右あたり

  10. 環跳(かんちょう)

    お尻の外側にある、力を入れるとできるくぼみのところ

などがあります。

腰痛のツボを取るポイントは、左右にあるところです。シールを貼るときには、左右両側に貼り、からだのバランスを整えましょう。

背中の真ん中など鍼シールが貼りにくい場所は、ご家族に貼ってもらうか、ご自分の手が届く範囲で痛みやコリがある部分に貼れば大丈夫です。

目が疲れやすい

細かい作業や年齢を重ねると、目の疲れを感じますよね。そんなときは、顔のツボを刺激してください。

顔のツボを刺激すると、血行が改善されます。すると疲れて血流が悪くなっている目は、ぱっと明るく見えるように感じます。視野が広がると感じる方もいるようです。

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  1. 攅竹(さんちく)

    左右目頭にあるくぼんだところ

  2. 睛明(せいめい)

    左右の眼頭の骨近くにあるくぼみのところ

  3. 太陽(たいよう)

    左右こめかみから目尻に向かうときにある、わずかなくぼみのところ

他にも、シールを貼るのは少し難しいかもしれませんが、うなじ部分にあるツボも目に効果的と考えられています。

  1. 風池(ふうち)

    耳の後ろにある骨と後頭部のくぼみの中央あたり

  2. 天柱(てんちゅう)

    首の骨の外側にある太い筋肉の外側にあるくぼみ

  3. 完骨(かんこつ)

    耳の後ろにある丸い骨の下より後ろをたどり、押すと痛みを感じるところ

もおすすめです。

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ただし、顔まわりの皮膚(肌)は繊細です。鍼シールを貼るときには、肌を必要以上に傷つけてしまわぬよう、以下の点に注意しましょう。

  • 鍼シールを貼った後に、上からぎゅっと押さえないようにする。
  • 初めて顔に鍼シールを貼る場合は、1~2時間ではがす。

長時間貼ると、シールの粘着やむれにより、肌荒れにもなりかねません。ぜひ、これらに注意して、安全に鍼シールを使用してください。

シワやほうれい線が気になる

シワやほうれい線が気になる方は、顔のツボを刺激しましょう。

鍼シールは、貼るだけで効果があります。顔面部にシールを貼る際は、そっと押さえる程度で押しすぎないよう注意しましょう。

以下は、シワやほうれい線におすすめのツボです。

  1. 下関(げかん)

    耳の穴から頬に向かい、指三本内側あたりのところ、口を開けると骨があたる部分

  2. 巨髎(こりょう)

    黒目から真下に下した線と小鼻の下縁との交差したところ

  3. 地倉(ちそう)

    口角の一番外側とほうれい線が交わるところ

▼特にほうれい線を薄くしたい!方へのアドバイス

鍼シールを使い慣れてきたら、寝る前に、ほうれい線に効果的なツボに鍼シールを貼ってみてください。
そのまま就寝し、朝起きると少しすっきりして見えるようになります。(鍼シールは8時間程度ではがしてください)

コツは何度か繰り返して、やってみることです。少しずつ血行が改善されて、気になるほうれい線が薄くなったと感じてくるはずです。

鍼シールの効果的な使い方

鍼シールは手軽に扱える一方で、鍼灸院での本格的な施術と比較すると、その効果は大きいとは言いづらいかもしれません。

そこで鍼シールのより効果的な使い方として、鍼灸院での施術のつなぎとしての使用をおすすめします。

腰痛や肩こり・頭痛がひどい時は鍼灸院で鍼や灸の施術を受け、次回の来院までの間に自宅で鍼シールを利用することで、治療効果を持続させつつ症状悪化を防ぐことができます。

鍼灸院に行けない時は、手でさすってしまうような痛みの場所やツボに鍼シールを貼れば、血行改善が促され、痛みの緩和を期待できるでしょう。

鍼シールを貼ったときの注意点

鍼シールを貼ったときに、注意することはあるのか、というご質問を多くいただきます。

まず、初めて鍼シールを貼る場合は、肌との相性を確かめるためにも、1回貼ったら数時間ではがすのが望ましいです。1日中貼りっぱなしにせず、痛みやかゆみを覚えたら我慢せずにはがしてください。

また入浴中は、シール部分に水に濡れて剥がれやすくなることが考えられるので、衛生面の観点から快適にシールを使うためには貼り替えるようにしましょう。

慢性的な症状の場合は、鍼灸院に相談してみよう

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慢性的な腰痛や肩こりの場合、鍼シールでもなかなか改善しないことがあります。

鍼シールを使い慣れ、鍼灸の効果をもっと感じてみたいなら鍼灸院に相談してください。

STEP1:予約を取る

予約をしたいと考えたら、鍼灸院のホームぺージや口コミを見て、ご自分に合いそうな鍼灸院を探してみましょう。

ホームページや予約サイトで気になる鍼灸院の情報を確認し、来院希望の店舗に、電話やメール、LINE@などで来院日を相談します。

初回は、ヒアリング(問診)などがあるので、時間に余裕を持ち、予約してください。

STEP2:来院・ヒアリング(問診)

来院したら、すぐに鍼治療が施されるのではなく、最初に問診やカウンセリングを受けて治療の方針を決めます。

内容によっては、鍼灸以外の施術を勧められる場合もありますので、ご了承ください。 

STEP3:施術開始

問診が完了したら、いよいよ施術開始です。アルコール綿で鍼を刺す部位を消毒し、患部に合わせ、鍼を刺していきます。

鍼の刺し方は、鍼をすぐに抜く方法や、鍼を患部に刺したまま数分から数十分置く方法(置鍼:ちしん)などさまざます。鍼灸師によって異なるので、自分に合う鍼灸師・鍼灸院を探してみましょう。

鍼を刺した時は、「チクッ」とした痛みを感じることもあります。刺した状態で痛みが続くようであれば、担当の先生に伝えてください。すぐに対処してくれます。

なお鍼灸治療の施術には、鍼だけでなく、お灸の施術もあります。お灸の施術は、台紙の付いた台座灸やもぐさ(よもぎの葉の裏を生成したもの)をひねって点火して燃やすお灸、電気のお灸など、症状により使い分けます。

もし鍼灸治療中に「痛み」や「熱さ」を感じたら、我慢は禁物です。すぐに担当の先生に伝えて調整してもらいましょう。

鍼シールに関するよくあるQ&A

最後に、鍼シールに関してよくある質問を紹介します。

Q:鍼シールはムレたりかぶれたりしますか?

鍼シールに使われている素材は、医療用の通気性のよいものを使用しています。そのため、ムレたりかぶれたりしづらい仕様になっています。

ただし、長時間や入浴時での使用については、おすすめしていません。

Q:鍼シールは神経痛や五十肩にも効きますか?

鍼シールは、鍼灸治療よりも穏やかに作用します。

神経痛や五十肩で痛みのある場合は、鍼灸院などへ行き、メンテナンスとして鍼シールの使用してください。

Q:鍼による痛み・腫れなどの副作用が怖いです。

鍼灸院で使われる鍼の太さは、髪の毛と同じ程度のため、基本的には痛みはそれほどありません。痛みの程度は、美容室で髪の毛をカットしたときに、顔に髪の毛が刺さった痛み程度だと考えてみましょう。

もし痛みが強いと感じたら、担当の先生に伝えてください。すぐに調整してもらえるので、痛みや腫れの心配が少なく済みます。

適切な施術を行うために、急に鍼を刺すのではなく必ずカウンセリングや問診を行ってから施術をします。鍼への心配や体調について、担当の先生にくわしく話してください。

Q:どんな鍼灸院を選んだら良いですか?

ご自分が鍼灸院で何をしたいかという目的を明確にし、その鍼灸院が得意とする施術領域を、ホームページなどで確認してみましょう。

鍼灸院は一度の施術だけではなく、何度か通う場合があります。通いやすさを考え、ご自分の住んでいるところや職場の近くで、選んでください。

Q:鍼灸に興味はあるのですが、頻繁に外出できません。対策はありますか?

新型コロナウイルス感染防止対策や、子育て・介護中などで外出が難しい方には、鍼灸師が直接自宅に来て施術を行う「往診」がおすすめです。

「往診」は、ご自宅や職場などにお伺いするスタイルです。ご自分のご都合に合わせて、事前に予約してください。

まとめ|鍼シールでいつでも手軽に健康になろう!

最後に、鍼シールについておさらいしておきましょう。

  1. 鍼シールは、誰でも手軽にからだと美容のお手入れをセルフケア鍼できるアイテム
  2. 正しい使い方を理解してから使用する
  3. 鍼シール効果は、鍼灸治療の効果よりも穏やかに作用する

鍼シールは、腰痛や肩こり、目の疲れ、美容まで、場所や時間を選ばずシールを貼るだけで鍼治療ができる優れたアイテムです。

からだや美容のメンテナンスに興味があれば、鍼シールは明日からでも試すことのできる手段です。

鍼シールに慣れてきたら、鍼への恐怖心は消え去っているはずです。今なら、鍼灸院での鍼灸治療を受けてみたい!と頭に浮かんでいませんか?

この記事が、鍼シールや自分にピッタリの鍼灸院・鍼灸師との出会いに役立てましたら幸いです。

このコラムの監修者

藤吉徳孝

(公社)日本鍼灸師会 

(公社)全日本鍼灸学会・(一社)日本小児はり学会・日本伝統鍼灸学会

はり師・きゅう師

現在、(一社)岐阜県鍼灸師会会長、はりきゅう安寿堂院長。

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